第12章 合同任務・二

　怪我をして欲しくない、いなくなって欲しくない。あなたが、好きだから…
　はっきりと、自分で解ってしまった。どんなに体裁の良い言葉を並べても無駄だと。

「…嫌です……檜佐木さんに、何かあったら嫌だから……だから…っ」

　気付くと涙が勝手に零れてきていた。

「もう……無茶しないで…！」

　心配で胸がちぎれそうだった。これ以上感情を抑えていられずせきを切ったように涙が溢れた。

「…泣くなよ、悪かった」

　萌の様子をじっと見ていた修兵だが、ゆっくりと片方の腕を伸ばすと俯く萌の頭を優しく撫でてくれた。

「ありがとな」



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