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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第10章 止められなかった



『そう、ですか…』


笑顔で返そうと思ったけど、出来なかった。


視線が下がった。


私といるのに、他の子の名前出さないで欲しい。とか、いろいろ彼女でもないのにそんなこと思ってしまう。


「東京スカイツリーとか東京タワーはどうかな」


敦さんの声で顔を上げた。


ベタだなあ…と心の中で思った。でも彼らしくて可愛い。


「でもここから遠いかな。」


考え込む敦さん。


『……海』


私はぽつりと呟いた。


「海…?」


こくりと頷いて、『海を見てみたい。近くに東京タワーもあったはずだから…』と記憶が曖昧だから語尾は小さく言った。


「海、か。…でも、何処だろう」


『場所は確か…港区ってところ、だと思います』


千代田区から離れている。


行けるかな…、と少し心配になった。


「そうなんだ。行ってみよっか?」


迷子になったらごめん、と敦さんはしょんぼりする。


大丈夫ですよ、と言って敦さんを元気付けた。


そして私たちは、港区に行くために駅に向かった。



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