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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第10章 止められなかった



「ちゃんは何処か行きたい所ある?」


何処に行くかは決まっていない。


とりあえず、隣に並んで歩いている。


──敦さんとなら、どこでもいい。


そんなこと恥ずかくて言えない。だから心の中で秘めておく。


『えーっと…』


正直これといって行きたいところは無い。


東京に来たのはこれで二回目。来たきっかけはこの依頼。


だから、なにがどこにあるのか全く分からない。


私が黙り込んでいると、敦さんが謝った。


「ごめん、決めるの任せちゃって。東京初めてだったよね。…一緒に考えよっか」


敦さんの言葉に小さく頷いた。


「あ、お腹空かない?もうすぐお昼だけど」


11時半過ぎだね、と一言付け加えた。


『あ、まだ空いてない、です…』


「そっか。実は僕、朝食べすぎちゃったんだよね。鏡花ちゃんが作る料理美味しくて…」


あはは…、と敦さんは少し苦笑いする。


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