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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第10章 止められなかった



時間は4時を過ぎていた。

探偵社に戻ると、今日聞いた話をまとめ終わると社長に報告をした。

まだ残っている仕事をやっていると太宰がに話しかけた。

「敦くんと2人で東京までの仕事どうだった?」

──どうだったって....

は思い悩んだ。

『普通でした。仕事だから、そんなに....』

仕事だからそんなにいい思い出はなかったが、敦と居れただけでも良かったし、嬉しかった。

「確か明日もだよね、頑張りたまえ」

それだけ言うと、太宰は探偵社から出ていった。

─もう帰るんだ

そう思って時計を見ると、5時を回っていた。

『私も帰ろうかな』

席を立ってちらりと無意識に敦の方を向いた。

まだ敦は仕事をしている。

するとは席に座って書類を出した。

まだ残って仕事をする。

集中して仕事をしていると、いつの間にか残っていた社員は帰っていく。

そろそろ自分も帰ろう、そう思ってまた席を立つと敦と鏡花がドアの方にいた。

敦さんも帰るんだ。

は前のように少し時間が経ってから探偵社を出た。

敦とはいたいが、鏡花がいるならはその間には入りたくなかった。

鏡花が嫌いな訳では無い。

ただ、敦といるなら2人きりの方がいいからだ。

もし3人でいるとなんだか気まずいし、ただいるだけの存在になってしまうし、嫉妬してしまうかもしれない。

贅沢な悩みだとは分かっているけど、矢張り好きな人とは2人きりがいい。


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