第10章 止められなかった
「次の山田さんの所に行って話が終わったら、今日はもう終わろう」
資料を見ながら敦さんは歩き進む。
私は頷く事さえも、出来なかった。
歩いて山田さんの家に着くと、山田さんは来るのを待っていたと泣いて話した。
話を聞くと、前から探偵社に依頼をしようとしていたと言う。
でもどうして良いか分からず、悩んでいた時に社長が電話をくれて嬉しかったと話す。
山田さんは、大好きな人を殺された。
自身の妹の恋人も殺されたらしい。
その事件の犯人は同一人物かもしれない。
今追っている事件の犯人は誰かの大切な人を殺している仮説が立てられている。
色々話を聞いていると、1時間を過ぎていた。
帰る際山田さんはお礼に手作りのお菓子をくれた。
恋人がクッキーが好きで、良く山田さんは作っていたと言う。
私達もお礼を言って、山田さんの家から出た。