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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第10章 止められなかった



聞き込みをしているうちに、千代田区に向かっていた。

都会っぽくて凄いなあと感じた。

街を歩いている時に敦さんが言った。

「ここの街はすごいね、前に鏡花ちゃんとヨコハマの街をまわったけど、全然違う気がするな」

『えっ』

私はそれを聞いた瞬間驚いた。

鏡花ちゃんと街をまわったって、それって....

『デート....』

敦さんには聞こえない小さな声で呟いた。

仕事中だけど、私もなんかデートしているみたいだと思っていた。けど敦さんは鏡花ちゃんとデートしてたんだ。

急に悲しくなった。

それと同時に仕事でここに来ているのに、勝手に彼氏彼女みたいに感じている事が虚しくなった。

胸がきゅーっと締め付けられて痛くなった。

目の前にいるのに、敦さんが遠い人に見えた。

敦さんの優しいところが好きなのに、今は嫌いに思えた。

誰にでも優しくしないで、自分だけ優しくして欲しいと思った。

敦さんの事がこんなに愛しいのに、でもそれは無理だと分かった。


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