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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第10章 止められなかった



探偵社に着けば、もう聞き込みをするって言われて早いなあ、と思った。けど、場所は東京らしくて、移動時間も考えて、朝から始めるのだと言う。

私は必要だと思う荷物を持って、敦さんと探偵社を出た。

駅に向かって、電車を待つ。

その間は会話らしい会話はしなかった。

敦さんから話しかけてくれても、相槌しか出来なかった。

冷たくしてしまった、と後悔していると電車が来た。

乗客は意外に少なかった。

電車の揺れに耐えながら、ボーとしていると敦さんが話した。

「今日のちゃんいつもと雰囲気が違うくて....」

『ぁ、スカーフ....』

小さい声で言った。

いつもと違う雰囲気のせいはスカーフ。

敦さんの言葉を待って聞いてみると、私は凄く恥ずかしくなった。

敦さんは「凄く似合ってるよ」と言ってくれた。

最後の言葉は私じゃなくて、スカーフの事だと分かってるけど....

『あ、ありがとう、ございます....』

「あの....」

私が嬉しさを噛み締めていると敦さんがあたふたして続ける。

「いつもと違う格好もいいと思うよ、凄くちゃん可愛い、し........」

敦さんは何を言っていたのか気づいたみたい。

みるみるうちに顔が赤くなる。

これ2回目だな、そう思いながら思い出した。

それより恥ずかしさで死にそう。

これで私は1日過ごせるか心配になった。


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