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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第10章 止められなかった



「どうしたんだい?」

太宰さんに声をかけれてハッとする。

はぐらかそうとしたけど、口に出た。

『お父さん、の車が見えて....』

お父さん呼びはなれない。

それより、ちょうど目の前の信号で止まっていて、私たちの方面に向かって走ると思う。

よく見てみると、助手席に誰か乗っている。

彼のことは興味無いけど、少し気になった。

じー、と目を凝らして見る。

同い年、多分もしかしたら、私より少し年上の女の人が乗っていた。

信号が青になったのか、こっちに向かって走ってくる。

私は顔が見えないように、背を向けた。

「ちゃんにきょうだいはいないし....助手席の人ちゃんのお母さんとは考えにくいけど、彼女の事は?」

太宰さんも見ていた。

私はちがう、と首を振る。

『いいんです。私は、樹戸さんの事興味無いし、どうでもいいと思ってる、から....』

遠くなる車を見ながら言う。

そうだよ、彼が何をしてるかって私には関係がないよ。

お母さんの再婚相手で、血も繋がってないから私には....

それに、お母さんはヨコハマに居ないから、あの人は今父親って言えない。

うん、そうだよ。そうだから。

寮の反対方向に向かって走って行ったのも、私には関係ない。

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