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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第9章 1割のお礼



1度帰宅してから考える事にした。

とぼとぼと、視線を足元に落としながら歩いていた。

『はあ....』

先程からため息しか出ない。

寮に着くと、自分の部屋の明かりが点いていた。

まさかと思いながら、ドアを開ける。

『…!』

矢張り昨日と同じように樹戸がノートを広げていた。

『なんで……昨日もう来ないって言ってたのに』

樹戸の方まで寄って言った。

「どうしてもちゃんの事が心配でね」

ノートに鉛筆を走らせながら言った。

「ちゃんと探偵社の社長にも許可を貰った」

『許可って....』

本当に社長は許可を出したのか?

絶対嘘だ。

嘘だと信じたい。

もし本当なら、この男と同じ空間で、また過ごすと考えると頭が痛くなる。

「本当はそんなに嫌じゃないだろ?」

『そんなわけっ...』

心の底から嫌だとは言えなかった。

この人といると気持ちいい事をしてくれる。

それは嫌な事じゃなかった。

「分かりやすいね、ちゃんは」

は返す言葉がなかった。

『....お風呂入ってくる』

一刻も早くここからは逃げだしたかった。


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