第8章 夢見るために
次の日ちゃんは探偵社に来なかった。
今頃ちゃんが辛い思いしていると思うと、胸が痛くなる。
「はあ...」
僕の所為だ。
昨日無理にでもちゃんをあの人から離してあげたら良かったのに...
後悔が押し寄せる。
そう考えていると、ドアの開く音がした。
「おい、!何時だと思っている!太宰に並んで相当な遅刻だ!」
国木田さんが言うとちゃんは力なく『すみません...』と言って謝る。
「何かあったのか?」
心配そうに聞く。
『いえ、なんでもないです...大丈夫です...』
そう言ってちゃんは鏡花ちゃんの所に行った。
暫くして、休み時間になった。
僕は下の階のうずまきで珈琲を飲みながら休憩しようと、席を立つとちゃんが僕を呼んだ。
『あ、あのっ、少しお話いいですか?場所はうずまきで...』
「うん、いいよ。ちょうど僕行こうとしていたから」
そう言って、僕たちはうずまきへと足を運んだ。