第8章 夢見るために
席に着いて、珈琲を頼む。
ずっと沈黙が続いた。
気不味い。
そう思っていると、ちゃんが口を開いた。
『.......昨日はごめんなさい、迷惑かけて』
「いや、迷惑だなんて!」
迷惑だなんて思っていない。ずっと彼女が心配だった。
『あれから考えたんです。やっぱり私が悪かったなって...』
彼女を見る。
すると、あるものに気付いた。
首筋にいくつか赤い点があった。
「あっ...」
昨日ちゃんは...
途端にあの人の事が許せなくなった。
「いいや、ちゃんは悪くない。悪いのは僕の方だ...」
「君を助けれないなんて嫌なんだ」
『..........』
何も言わなくなった後、小さい声で言う。
『お詫び』
「え?」
『お詫びに、何かさせてくれませんか?
小さなことでも簡単なことでもいいので...』
「でも...申し訳ないよ。僕何もやってないのに...」
『嫌です!私、敦さんの為に何かやりたいです.......』
「そこまで言うんだったら...うん、分かった」
僕は特にして欲しことは思いつかなかった。
ちゃんに任せることにした。