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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第8章 夢見るために



『なんでそんなこと言うの…』

『全部貴方のせいじゃない…っ』

は怒りをぶつけて声をあげた。

目頭が熱くなり、涙が零れそうになる。

泣いたら負けのような気がした。

泣いたらダメ泣いたらダメ、と自分に言い聞かせる。

耐えきれなくなり、は部屋から飛び出した。

「ちゃん……!」

すると、樹戸はの後を追いかけた。



行くあてはない。

取り敢えず、彼から離れたかった。

樹戸が分からない場所に行こうとするが、簡単に追いつかれた。

『近付かないで!』

「夜は危険だって言ったのはちゃんだ。戻ろう」

『もう帰ってっ、一緒に居たくない』

グイッと腕を掴んで引っ張られる。

「そんなこと言うと、どうなるか分かってるよね?」

『や、やだっ、離して!』

怖気が走った。樹戸に対して反論をすると、いつも酷いことばかりされていた。もうあれは嫌だ。

すると、自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。

その声は敦だった。

「ちゃんっ」

隣には鏡花がいる。仕事帰りだったのかもしれない。



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