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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第8章 夢見るために



それから仕事が終わり、は寮へと帰宅する。

鍵をカバンから取り出して、鍵穴にさして回すと、違和感を感じた。

『開いてる...?』

どうして開いてるの?と思いながらそのままドアを開ける。

空き巣に狙われた?

下に目線を落とすと、人の靴があった。

恐る恐る前に進むと、人影が見えた。その人影は知っている人のものだった。

『樹戸さん...』

「やあ、仕事からの帰りかい?」

彼は、たくさんのノートを広げていた。

『な、なんでここに...』

「ダメだよ、一人で帰ったら」

話が噛み合わなかった。

ダメ、というのは

昨日勝手にいなくなり、彼を1人置いていって他の人の所に行ったそのダメか、夜遅くまで働いて歩きで寮にへと帰っていることか。

その事が頭に浮かんだが、そんな事はどうでも良くなった。

『か、関係ない、です...帰って...』

自分でも声が震えているのが分かる。

「長期出張になったんだ。これからはちゃんを迎えにいくよ。独りで夜に出歩くのは危険だからね」

彼は立ち上がっての方へと近寄る。

『来ないで...!』

後ろへ下がろうとするが、足が震えて動かない。

彼はの頬を手を添え撫でる。

「男の匂いがする。こんな夜遅くまで男に奉仕したのかい?」

『違う!そんなことしない!仕事で一緒になってるだけで...っ』

「震えているのかい?可哀想に....こっちに来て。
一緒に温まろう」

樹戸ほ手は頬から手首に下がる。

はその手を振り払った。

「どうしたんだい」

『もう関わらないって、決めっ...』

樹戸がの話を遮った。

の後頭部を押さえて、舌を絡ませる口付けをした。

長くて、苦しい。

やっと終わると、樹戸はこう言った。

「いつからそんな子になったの」

『わ、私はっ、貴方に、縛られたくない』

はそう言うと、沈黙が続いた。

「そんな事言ったってちゃんは、僕とするの好きでしょう」




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