第8章 夢見るために
敦と別れて、続きをしようとにの元へ向かう。
「さ、ちゃん続きをしよう」
返事が聞こえない。
すると、すうすう...と寝息がする。
「おや、寝たのかい」
の顔をじっくり見る。
「可愛い寝顔だね」
太宰は少し心寂しく感じた。
優しい手つきでの頭を撫で、そのままにゆっくり布団を被せた。
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また、は太宰の寮で目を覚ます。
「目覚めたかい?」
太宰は横にいた。そのことで少し驚いただったが、落ち着いて話した。
『……はい、昨夜はありがとうございました…』
と言って布団から出る。
そして、脱いでいた服を速やかに着替える。
「あれー…ちゃん続きしないのかい?」
『……しないです、探偵社行かないと』
「だってさ、昨日はそのままちゃん寝たんだよ?どれだけ私が寂しかったか…」
太宰の言葉には動きを止めた。
『泊めてくれた事には感謝してます。けど、路地でした事は許しません』
「あー」
あの事ね、と一言付け加えた。
は着替え終わり、玄関の方へと向かった。
『…それじゃ、』
「えっ」
バタン、と扉が閉まり太宰は一人残された。