第8章 夢見るために
『キス、して欲しいです...』
キスをして欲しいとがいい、太宰はそれを聞いて顔を近付けてキスをしようとすると、いいタイミングで玄関のチャイムが鳴った。
「誰だい、いい所で...」
キスをするのをやめて、玄関の方へと歩く。
ドアを開けると立っていたのは敦だった。
「敦くん!どうしたんだい、こんな時間に」
「えっと、社長がこの仕事は太宰さんに任せたいって...あ、これがその仕事の依頼書です。」
抱えていた書類から探し出して太宰に渡す。
「社長の頼みなら断れないな〜...」
社長以外からの頼みなら、サボるつもりだったらしい。
「...話はそれだけかい?」
「!」
敦がここへ来たのはそれだけじゃない事を太宰はお見通しだったようだ。
「あ、いえ...ちゃん、帰ってきてない様なので...太宰さん、何か知っていませんか?」
敦が帰宅した頃に、は樹戸と出かけたのを見た最後に彼女の姿を見てない。
寮の明かりも点いてなかった。
「あぁ、ちゃんは私のところにいるよ。」
「ほ、ホントですか!?...良かった」
敦はあのまま連れ去られたと思っていて、心配だった。太宰の所にいるのも少し心配だか、自分の恩人だし大丈夫だと思った。
「上がって行くかい?」
「あ、いえ、聞いただけで安心しました。それじゃあ、失礼します」
「ああ、お休み」
「お休みなさい!」
そう言って敦は自分の寮へと戻った。