第4章 始まり
目を開けると、白い天井が見えた。
少し消毒液の匂いもするから、医務室だと分かった。
「あ、ちゃん、起きた?」
私は敦さんがいる事にびっくりした。
そして身を起こそうとすると、敦さんに止められた。
「あぁ、急に起き上がったら」
『大丈夫です…』
「お腹、痛くない?」
───お腹?
『いえ、痛くないですけど...』
「...そう」
『あの、ここまで運んでくれてありがとうございます。迷惑かけてごめんなさい』
「いや、全然いいよ、重たくも無かったし」
そう言ってくれるけど、少し恥ずかしかった。
でも、気になった事があった。
『どうして、お腹痛くないとか言ったんですか?』
「ッ、それは、その、痛くないかな...って」
「えっ、ちょっと、ちゃん!?」
『…私、敦さんの事信じてるから話しますね』