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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第4章 始まり



ある程度の情報を掴み探偵社に戻ろうとする時、私は行きたい場所があって、敦さんにお願いをした。


その場所は、今の場所からあまり離れていない。


行った場所は観光スポット。


「綺麗だね」


私は頷いた。


「何度か来たことあるの?」


私は首を横に振り、言った。


『...家族で1回だけヨコハマに来たんです』


「へぇ、じゃあ生まれはヨコハマじゃないって事?」


『私の出身地はここから遠くて……』


「そうなんだ」


『はい…逃げて来たから』


「逃げて来た…?」


私はそれきり、口を開けなかった。


余計な事を言ってしまった、と少し後悔した。


敦さんとこんなに話せるのは嬉しいけど、過去の話はしたくない。


──やっぱり、若い子はいいものだね

──言いたかったら、言えば良いじゃないか。知って悲しむのは君のお母さんだよ


『……』


不意に昔のことを思い出した。


気分が悪くて、その場に蹲った。


「ちゃん、大丈夫っ?」


私は首を横に振った。


大丈夫、と言って敦さんを困らせたくなかったけど無理だった。ものすごく気分が悪い。


敦さんはしゃがんで、「探偵社に戻ろう」と背中を向けて言った。


おんぶのことを言ってるのだろう。


恥ずかしかったけど、素直に敦さんの背中に身を委ねた。


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