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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第11章 憂愁




『全然、待ってないです』


頭を横に振りながらは答えた。


「良かった。…今の子、知り合い?」


敦は優しい微笑みでに問いかけた。


『は、はい……。中学校の頃からの、親友です。』


彼女とは、まだ親友。


そう思うのはささやかな願い。


入学式当初不安だったに、花灯が1番最初に優しく話しかけてくれた。3年間一緒で、仲が良かった。


これからもずっと2人で……。


と思っていたが、中学の最後から一緒に居られなかった。


彼女とは全く会えていなくて、住むところも違う。


なのにまだ親友と言えるのだろうか。


中学の頃の親友である花灯にでさえ、自分の事を話せなかった。


言っても軽蔑される心配があった。


樹戸のこと以外、彼女に秘密を隠していなかった。嘘だってついたことなかった。


去って小さくなる彼女の背中を見つめていると、少しだけ複雑な気持ちになった。


寂しいけれど、敦がいるから平気だ。


──私には、この人しかいない。
敦さんがいるだけで……


最近は敦に対して、そう思う事が多くなっていた。


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