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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第11章 憂愁




出来ることなら、敦だけに触れられたい。触れていいのは大好きな敦だけで、自分のまわりの男は敦だけで十分。


そう思うがそんなこと言ったり、してもらったりする資格が自分には無い。


自分はそんなことが許されない人間だ。


あの時敦は「綺麗だよ」と言ってくれたが、自信が無い。更に汚くなった。


自分の穢れている身体を触らす事なんて出来ない。


そう思い始めたのも最近。


考えたくなかったが、ふとした時に考えてしまう。


そんなこと思った時はだいたい病んでしまって、夜に泣いてしまったことが何度かあった。


今もうっすらと涙が出てしまって、グッと抑える。


その時着信音が鳴った。


着信音はの携帯電話から鳴っている。


慌てて携帯電話を取り出して見てみると、画面に【おさむさん♡】とかかれていて驚いた。


『太宰さん……?』


一瞬あれ?と思った。太宰と連絡先交換した覚えはない。


が知らないうちに、太宰は自分の電話番号を登録していたのだ。


しかも名前で登録されている。おまけに名前の最後にハートの文字が付いていて、とても趣味が悪い。


これは絶対太宰の仕業だ。


異性を苗字ではなく下の名前で呼んでいるのは敦だけだ。敦以外異性を名前で呼ばない。きっとこれからも。


登録されていたの本当に全然気付かなかった。いつの間に。


そう思いながら画面を見ていると「出ないの?」と敦に言われてハッとした。


もう既に5コール以上している。


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