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ちょっと過保護すぎるんだけど?

第2章 2


「痛みますか?」

「うん、ちょっとね。でも、これくらいなら平気。我慢できるよ」

手当てをした指に、キスしたまま目を閉じた。
早く治るようにと祈る。

目を開けると、恥ずかしそうにモジモジとしているお嬢様がいた。……なんだそれは。可愛すぎる。

川島は握った手を持ち上げながら、そっと肩を抱き寄せた。

「お手伝いありがとうございました。今日はもう、これでおとなしく座っていてください。手はしばらく心臓の上ですよ」

うなずくお嬢様の頭をやさしく撫でてからキッチンへ戻る。フライパンの中に揚げ途中のフライが浮かんでいた。

熱の入りが予定通りにいかなかったばかりか、放置したせいで油を吸い過ぎてしまっている。

大胆にアレンジしてメニュー自体を変えることにした。
料理ができあがり、お嬢様の前へ運ぶ。

「卵とじになってる。美味しそう!」

失敗したり残ったフライは卵とじにするとよい、と以前に訪れた料亭の主人が教えてくれた。

お嬢様は指をケガしているので、川島はすべて自分の手から食べさせようと思ったが断られた。

美味しそうに食べる姿をながめながら、自分も箸を進める。川島と色違いの箸を持つ包帯を巻いた指が痛々しい。

「川島は料理うまいから、つい食べ過ぎちゃうんだよね。このまま、どんどん太ったらどうしよう。嫌いになる?」

「またそんなことを気にされて……。お嬢様がどんなに太っても、わたしの愛は変わりませんよ」

「嘘つき」

「嘘じゃありません」

たわいもないやりとりをしながら、食事の時間は穏やかに過ぎていった。


夕食後、リビングでうたたねをしてしまったお嬢様にブランケットをかけると、川島は書斎に入りノートを開いた。


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