第4章 はしやすめ
「あ、あの、紅炎、様」
「どうした?」
「い、や...ち、近いで、す...」
どうにかしてこの火照る体を冷まそうと紅炎様から離れようとするも、「駄目だ」と失敗。
「その立てない体でどうするつもりなんだ。」
と言われればもう黙るしかなかった。でも、本当にキツいんです!!心の中で最早逆ギレしてしまう程に心臓がバクバクと言って止まらない。身体が熱くて熱くて仕方ない。どうしようもないこの状況にじわりと涙が込み上げてくる。
「紅炎様...」
「...ッ!........それは、謀ってやっているのか?」
「謀って...?」
紅炎様の目がギラりと光ったのを感じた。何処に、その要素が.....
.............あ。
恥ずかしいことに、一応私は紅炎様に告白されていたことを思い出した。もう流石に時効だと思っていた。時効だと信じたかった。
「もう俺は知らないからな。」
「や、待ってください、落ち着いてくださ...!」
そっと抱き上げられ、紅炎様のベッドへと落とされた。これから起こるであろう事に身を震わせる。
「紅炎様、紅炎様。やめてくだ、さい。一時の過ちで、、許せるものでは、ありま、せ、ぬ...。」
「俺はの心が知りたい。」
「.....分から、ないです...。」
「そうか、
じゃあ俺に1回抱かれろ。」
「...........!?」
紅炎様の脈絡もない発言に一瞬時が止まった様に思えた。え、抱かれろ...?何故?じゃあ、とは?私の頭の中で疑問が風船の様に膨らんで、割れて、最早考えることすらも放棄した。
「さすればの本心が分かるのではないか?」
我ながら名案と私の上に乗る紅炎様にもう引き返せないと悟った。諦めて目を瞑った私を見て了承の意と汲んだのかフッと鼻で笑う声が聞こえた。
「さぁ、俺に全て委ねろ。」
耳元でそんなことを囁かれたらもう本当に従うしかなかった。