第4章 はしやすめ
紅炎様が近づいたことが寝台がギシリと音を立てたことで分かった。ここまで来たのだからもう腹を括るしかないと思いつつ、色々不安しかなくて私はパンク寸前。あああ、もう本当、どうしてこうなった!
私がそうやって悶々と考えている間にも紅炎様の気配は近づいてくる。生涯を捧げると決めた主君とこんなことして良いのだろうか…。そう思うと更に怖くなって下唇をグッと噛む。するといきなり耳にフッと息をかけられた。
「ヒッ!?」
「そう身構えるな。」
思わず目を見開けばいつになく楽しそうな表情を浮かべた紅炎様が目に写った。先程の行為だけでぞわぞわした感覚が背中を滑っていき、自ずと そういう 気分になる。ぽや~と紅炎様を見ていれば、そのまま唇を奪われた。
「んっ…ふっ……んんっ」
「はっ…」
最初は重ねるだけだったそれはどんどん深くなっていく。啄む様に角度を変えてキスされ、そして遂には唇をチロりと舐められた。
「……口を開けろ。…舌を出せ。」
普段なら…普段ならば絶対にしない事も今なら躊躇いなくやってしまう。口を開けて、舌を出した瞬間、物凄い速さで絡め取られた。
「…ふぁ…っ……んぁ!」
「…ッ」
紅炎様の熱い舌が私の舌をグリグリと押し、咥内を暴れ回る。たったそれだけの事の筈なのにまた先程のようなぞわぞわした感覚がした。気持ちいい、そして、変に、なる。酸欠のせいか、それともまだ残っている宇航の媚薬のせいか、もっともっとと欲してしまう。そうしてこの深いキスに溺れていればいきなり胸を触られた。紅炎様の大きくてゴツゴツした手が私の胸をやわやわと揉み、形を変えていく。
「やっ、こう、え!んっ…さま………っ」
服の上からなのに、感じてしまう。何かが来る感覚がする。駄目だ、これ以上、こんな気持ちいいことされたら、
「イっちゃ…うぅ…あぁ!」
「…随分早いな。」
「やだぁ…!やめっあっ!…ふぁ!」
「媚薬のせいか、それともが 淫乱 だからか…。どちらだろうな…?」
紅炎様の言葉が脳に吸い込まれ、カッと顔に熱が集まる。そうしている間にも紅炎様の手は服の間に入り込んでくる。直で紅炎様の体温を感じそれと共に先程より何かがくる感覚が強くなった。
「だめ、で…ぁ!…ひぁぁぁぁぁ」
目の前がチカチカした。