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【マギ】うたかたのゆめ

第4章 はしやすめ





「んん.....」



尋常じゃない体の熱さで目が覚めた。見慣れない天井に、先程まで私はどうしていたのかと回想すれば紅炎様の寝台で寝たことを思い出した。ガバッと起き上がり周りを見るもそこはしんとしていて紅炎様がいらっしゃる様子は無かった。


まだ仕事中、ということはまだそれ程時間が経っていないことは容易に想像ついた。紅炎様がご就寝なされる前にここから出なければと掛け布団を捲れば、肌に当たった冷気にびくりと身体が震えた。煌帝国は中々温かい気候が多い。この冷気は魔法によるものだろうか、きっとお優しい紅炎様が付けて下さったのだろう。


お礼を言わねばと地面に足を下ろせば、カーペットのふわりとした感覚が足から伝わって、また妙にびくりとした。心無しか先程よりも身体が熱く感じる。魔法による冷気と体内の熱さのコントラストにくらくらしながら書斎に通じる扉へ向かう。


コンコンと控えめに扉を叩き、「紅炎様」と一声かけて返事を待つと、


「?」

「!?」


返ってきた声は後ろから聞こえた。驚いてバッと後ろを振り向けば、湯浴みを終えた紅炎様が立っていた。.........なんというか、とても目に毒だ...。


「あ、あの、紅炎様...。」


何も隠していないし、臆することも無いはずなのに声が震える。足もそれにつられて震える。体内の熱さは増すばかり。


「寝台を貸して頂き、あり、が...っ!?」



震えに耐えきれなくなった体が一気に傾く。重力のまま倒れる。私は自分の体すらも支えられなくなった。衝撃に備え、目をキュッと瞑ると、痛みとは裏腹に温かく、優しい何かに包まれる感覚がした。



ハッとして目を開けば、紅炎様が私を抱きとめていた。しっかりしろと両肩を掴み、顔を覗いてくる紅炎様に、顔に熱が集まるのを感じた。ち、近い...。



元からこの方の色気は凄い。何年と間近でその色気に当てられているが一向に慣れない。そして今、湯浴みから上がったばかりで、髪は少し濡れていて、寝る為だけの簡易な夜着の隙間から見える胸板。色気のオンパレードに顔だけでなく、身体がさらに熱くなった。



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