第1章 始まり
そうやってキュウべぇとわちゃわちゃ話していれば最深部に来ていた。
「やっと最深部かぁ~。」
歪な形をした扉を開ければそこにいたのは梨に砂の手が生えた魔女。
「なるほど、なんかバルバットっぽい。」
スラムの子達の魔女なのかな?まぁそんなこと知ったところで手加減する気は更々ないんだけど。
「vigorosoービゴローソー」
これは強化魔法。
そしてこんなちんけな魔女には
「moderateーモデラートー」
中くらいの速さになる魔法。そして
「graveーグラーヴェー」
魔女の体が重くなる魔法。
あとは
「ぶん殴るだけッ!!」
私の大好きな武器、ハルバードを出す。
ハルバードとは、15世紀から19世紀までの間、主にヨーロッパ使われていたもので、変幻自在の槍。そしてそこに魔法で改良を重ねた、私だけの、私にしか使いこなせない最強の武器。
「別に最強ではないけどね。確かに強いけど。」
ハルバードを見てフフンと鼻を鳴らす私にキュウべぇが呆れた目で言った。
反応するのも面倒くさくて、軽く舌打ちをしたと同時に私は魔女の元に走って行った。
恐らく梨本体をやればいけるはず...!
ガンガン!と硬い本体を力任せにハルバードでやるが、決め手の攻撃を仕掛けようとすると、砂の腕に阻まれる。
「うぜぇな!!シャラール!」
腕を水で固め、即座に切り落とす。
そして私の異次元貯蔵庫から瓶を取り出し、中身をそれにかけた。
これは私特性のスライムだ。1度体に付けばそれがどんな物体であろうと、くっつき、そして身動きを取れなくするもの。
うざったい砂の腕がなくなったところで、また攻撃をしようとすると、また腕が生えた。
しかもその手には何故かレモン。
(まさか...!)
私は急いで距離を取った。それと同時に投げつけられるレモン。
それは私のボルグにぶつかった瞬間、凄い威力で爆発したのだった。