第4章 はしやすめ
「宇航、何で貴方はそこまで知って...!?」
「ははは。そんなの簡単ですよ...。
ずっと貴女に恋焦がれていたのですから。」
「!??」
答えるとも思っていなかったし、その答えにも驚愕した。いや真逆そんなはずは無いだろう。
「僕はあの時のことを鮮明に覚えている。街で働いていた時に気付いたら知らない場所にいて、常識の範疇を超えるナニカに襲われた時、颯爽と現れた貴女に助けられた。」
「...」
「その日から貴女に惚れて調べた結果、さんの名前、そして職業を知った。最初は遠い存在だと思ったが、そんな事だけで諦められる程軽い気持ちじゃなかった。だから、勉強して勉強して、人に顎で使われて、そして官吏としての職を勝ち取った!」
ああ、この人、私と一緒だ。私と一緒なんだ。よく分からない場所で助けられて、惚れて、その人の為にと、その人に近づこうと努力に努力を重ねた。
「やっと貴女を支えられると思ったんですよ。なのに、なんです?あの男。さんに立場を利用して愛を告げるなんて。あの男には色んな女がいます。でも俺には貴女しかいないんですよ!」
「宇航...。」
「だから、貴女を奪うことを決めました。幸い、あの時魔女に襲われてから、場所を感知できる様になったんです。そこに行けば貴女に会えると思って。さんがこの国を出てからもずっと勉強しながらも尾けてました。そこで聞いた会話で魔法少女というものも魔女というものも知りました。」
うわぁ、合点がついた。嫌な暴露話によって。
ストーカーされてたなんて気づかなかった。キュウべぇも何も言ってなかったし。
「正真正銘話は終わりです。さ、僕のものになりましょう。一緒に幸せに暮らしましょう。あの男から離れて。」
「ちょっと待っ...んんっ」
キスされた。その事実は私を蝕んだ。気持ち悪い。気持ち悪い。早く離して欲しい。嫌だ。抵抗する様に彼の体に手を当てるが、ビクともしない。
そうしてキスしている内に咥内の酸素は無くなって、少し口を開いて空気を取り込もうとすれば、それと共に入ってきた彼の熱い舌。そして何か硬いもの。
「んんっ!?...ぁっ!」
硬いものは舌で転がされているウチに何かのカプセルということが分かった。