第4章 はしやすめ
私怨とか思い当たる節しかない。何故なら私達は色々とやってきたから。世界を一つにする為とはいえ、酷いことも沢山やった。恨まれて仕方ない。
「ははは。教えてあげる僕って優しいな。まぁ、さんですからね。」
「...........」
「あ、そうだ、僕は今最高に気分が良いので、もう1つヒントを差し上げます。...それは、最終の目的は貴女、ということですよ。」
ははははこんなのはもはや答えだ!とまた笑う宇航。本当に気持ち悪い、というより気味が悪い。
「...殺すならさっさと殺してよ、」
「えぇ?」
「殺せ!!」
「はははは殺すわけないじゃないですか!
貴女には価値があるんですから。」
まさか私を紅炎様を誘き寄せる為に使う気か...!?そんな事させてたまるか...!ギリィ!歯ぎしりをしながら目の前でまだニタニタと笑っている宇航を睨みつける。
「ははは」
「そんなに面白い?」
「いえ、これは愉悦ですよ。貴女が今、目の前で、自由を!失って!いるのですから!!」
興奮して話す彼にはもうあの時のイケメンの面影は無かった。
「さぁお話はここまでです。さん。楽しいこと、しませんか?」
「.....拷問なら私には効かないよ。」
「ははは!そんなこと知ってますとも!」
どうやら彼は相当私達を根深く恨んでいるらしい。そこまで知られているとは結構意外だった。
「ああ、やっと、目的が達成できる。ここに来るまでに何年とかけた事か...。」
持っていたお盆をチェストに置いた彼はあろう事か私を押し倒した。
「何、する気...?」
「...痛みを感じないとはいえ、他に感じることができるものはありますよね?」
ぞわぞわぞわと寒気が背筋を這う。まさかこんな事になるなんて。やばい、逃げなきゃとやっと働いた危機感知能力が告げた。
「ああ、さん。やっと、やっとですね。」
心無しか先程より息が荒い。こんな方法で拷問なんて嫌だ。気持ち悪い。
「...おや。怖いですか?まぁ、そうですよね。さんはおぼこですもんね!」
口からヒエッと声が出た。そこまで知っているのか。そこまで知られていたのか。おぼこ...未通女と書けば伝わるだろうか。