第4章 はしやすめ
流石にこの大きな巨体を持つだけある
そう思ったのは私がいくら攻撃しても、少しの傷しか残らなかったからだ。私の魔法は割と火力はある方だし、自バフも掛けている。なのにこの魔女といったら固すぎて倒れる兆しがいくら経っても見えなかった。
終わる頃には魔力、体力共に限界だった。魔女の結界が消えて先程の路地裏に戻った時、
いきなり首の後ろに軽い痛みを感じた。それは切られたような痛みではなく、殴られたような、そう、これはチョップされた時の痛みだ。それに気づく頃には私は意識を手放していた。
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「ん.....んん...?」
目が覚めて最初に見たのは見慣れない天井。どうしてこんなとこにいるんだっけ、とぼんやり考えていれば思い出した先程の悲劇。
バッと体を起こせばジャラと何かが音を立てた。...否、それが何かなんて分かっていた。わかり切っていた。でも認めたくなかった。私が
敵 に 捕 ま っ た な ん て ! ! !
首輪と手首、足に感じる重み。それとは逆に軽く感じる手を見れば魔法少女としての証であり、命であるソウルジェムの指輪が無くなっていた。煌帝国第一皇子の従者として有り得ぬ失態に絶望した。
指輪が無くても魔法は使えるが、杖がない。まぁハルバードを杖代わりにしてたからそうだよな、と冷静に納得した。
この邪魔な鉄を壊そうとあまり慣れない魔力操作をすればビクともしなかった。...............そういえば魔力操作対策にそんな手錠作ったなぁ...煌が。しかも私携わってたし.........。
あ 、 詰 ん だ な こ れ 。
私は死を悟った。ソウルジェムは命。例え痛みを感じない体で拷問にも耐えられるとはいえ、ソウルジェムが無ければもう終わり。でも絶望しちゃ駄目だ。.......いや、寧ろ絶望して魔女になった方が...........。
そうやって悶々と考えていればガラリとドアが空いた。正確には襖が。焦って周りを見ていなかったが、和を基調とされたこの部屋はいかにも煌らしかった。
「やっと起きられたんですね、強く殴りすぎたかなと思ったんですが、」
そうやって彼は、
宇航は、にこりと笑ったのだ