第3章 本当のこと
「紅炎...もう、私にはあなたしかおりません...支えてくれますよね?最愛の息子よ.....」
この時の皇子達の顔といったらもうドン引き。紅覇くんなんて「オエッ」とか言ってるし。いやもう1番無理なのは白瑛様と白龍様かな。実の母親のあんな姿。無理に決まってる、と思ったけどおや、別にそうでもない?
え?因みに私は別になんとも思ってないよ?だって紅炎様の顔、真顔に見えるけど嫌だな~って気持ち伝わるし、玉艶様のこと嫌いじゃないからね。ただ、服に手を突っ込んで、胸板を触ることに意味はあるんですか????
紅炎様が玉艶様をグイッと引き離す姿を目に収めてから私は青秀殿達に話しかける。
「皇帝は誰になるんでしょうね?」
「そりゃ、我らが紅炎様だろ。」
「...」
「それよりしっかり聞いとけ」
「はい...」
普通は紅炎様だし、私も紅炎様に皇帝になって欲しいけど、白龍様と白瑛様の可能性が捨てきれないし...。
「「煌帝国第三代皇帝」は.....
練 玉艶。「並びに帝国『神官』一同是を輔けよ国事を委す」」
「!?」
「はぁぁ!?」
そう来たか。まさか玉艶様だなんて...。
「ふざけたことを...」
楽禁殿を筆頭に皇子達の後ろに出る。
「止むを得ぬ措置なのです...本来、皇位を継ぐべきは紅炎...しかし、彼は今、征西軍大総督という大任を拝命する身。これを解くは陛下の志を半ばで踏みにじる愚行。ゆえに、この私が...大陸平定までの間、臨時皇帝の座につくのです。
これが、陛下のご遺志です。」
「.....」
「ほざくな、女狐。」
玉艶様.......泣いてるけど、
「口が笑ってますよ?」
玉艶様の後ろに組織の者たちが立ち塞がる。それに対立するように私達も睨みつける。正直、紅炎様以外にありえない。心の底では紅炎様が皇帝につくことを確信していたから。