第3章 本当のこと
「そりゃ可愛い妹が帰ってきたんだ。会いに来るだろ。」
青秀殿がそう言えば、他の皆様も賛同する様にうんうんと頷いた。紅炎様の眷属である4人は私を実の妹の様に可愛がってくれる、兄のような人達。紅炎様でいっぱいになってたけど、確かに挨拶してなかった。
「お久しぶりです、皆様。私がいなくなって多大な迷惑をかけ、本当に申し訳ござ...」
「ああ、そういうの良いんだよ。」
「え?」
「そうですぞ、それより言うことがあるでしょう?」
ニコニコと笑いかける皆様に何かを察した私。本当に私のお兄様方は優しい、なんて思った。
「はい。.....ただいま。」
「おかえり」
口を揃えて言う皆様が嬉しくて、笑みがより1層深くなった。
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青秀殿達と話したあと、紅覇くんが帰ったことが知らされた。そうして翌日である今日、皇帝陛下の謁見を承る為、玉艶様の元へと向かっていた。だがしかし、私たちは皇族ではないため、横から見守る形で参列となった。
先に来ていた私は、亡くなられた皇帝陛下の遺体に目を見開いた。
グジュ.....そんな音が聞こえてくるようなその見目に驚くなという方が無理であった。
暫くしていらっしゃった皇子達。
「おかえりなさい.......愛する息子たちよ。」
陛下の手を握る玉艶様がそう言った。
「どうしたの...こっちへいらっしゃい。皇女たちなど嫁いで以来ね...陛下もきっとお喜びになられるでしょう...」
「お...お父...さま...??」
だが、実の父があんな風になっているのだ。皇女様方はその場で震えて動けるわけがなかった。そんな皇女様方の視線から陛下を隠すように紅炎様は立ちはだかる。流石紅炎様。こけしだ...。
「陛下は...病で?」
「ええ...ずっとわずらっておられたけど、急変なさって...さぁみんな、父上にお別れを言って。」
へぇ、病気をわずらってたんだーへー。そうには見えなかったけどなー。元気そうに見えたのになー。本当に病気だったのかなー。と心の中で悪態をつきつつ、謁見を見守る。
すると、紅炎様が陛下の近くへ行ったところでぬっと出てきた玉艶様の手に捕らえられた。紅炎様をガシッと掴む様に抱きつくその姿に誰もが驚いた。
「!?」
私は引いた。