第3章 本当のこと
「ふ~どうしたもんかな~。」
正直言って疲れた。だってこの壁自体も大きいが、横も中々ある。
「人間の触れる範疇の2mに絞って調べてみたけどだめだったね。」
「.....な。どうしよ.....ん?人間の、触れる範疇...?」
「どうしたんだい?」
キュウべぇの言う言葉が何となく引っかかる。人間の触れる範疇...。ということは...
「分かったキュウべぇ!壁じゃない。調べるのは地面だ!」
「どうしてそうなるんだい?」
「だってもし壁に取り付けてたとしたら全員が全員その仕掛けに気づくか分からないじゃん。例えばそう簡単に通すわけにはいかないから、2m辺りに仕掛けをつけていたら、」
「150cm前後の人間には届かないって訳だね。」
「そう、そんな身長で判断するとは思えない!だから、地面を調べよう。」
そう言って四つん這いになって、適当にハイハイしながら地面を調べていると、壁付近で違和感を覚えた。...なんかこの壁の1部、しかも10cm角位の正方形の色が若干違うように見えたのだ。
私は太ももに隠してあるナイフを取り出して、そこを切ってみた。すると、そこには穴が。
「キュウべぇ。」
「なんだい?」
「この中にはい」
「入れるわけないだろう。は馬鹿なのかい?」
「...ふざけただけですー」
なんて言いつつ、本当は半分ガチだったことに苦笑いしながら、その穴を手探りする。
ガコン
適当に上の方を探っていれば、何かを押した感覚。そして、ゴゴゴゴゴという音ともに立ちはだかる壁、ではなく、横の壁が観音開きで開いたのであった。
「いや、そっちかーい」
扉の中を覗けばそこは、廊下の様な場所。中に敵がいないことをしっかり確認してから入れば一人でに扉が閉まった。戻ることもできないので、大人しく歩いていれば、壁に色んな写真?絵画?が飾られている事に気づいた。楽しそうに色んな人が笑っている...
「!?」
「なんだろうね、これ?新種の魔女かな?」
人と共に、人ならざる者も映っていた。でも皆、楽しそうだ。その情景が余程大切なのか、全部額縁に入れてあった。
不可解なその廊下は割と長く、どの位歩いたか忘れる頃に豪華な扉が現れた。
その扉に両手を添え、少し力を入れれば、先程の扉のように観音開きで開いた。