第3章 本当のこと
これが最後なのだからもっときっちりしなければ...。
「俺に、お前が必要ないと...?何故そう思った?」
「そんなの...紅炎様がっ、1番、分かってらっしゃるのでは?」
紅炎様はきょとんとした顔になった後、ふむと顎に手を当て考え始めた。記憶にすら、ないのか...。
「、お前まさかあの時のことを気にしていたのか?」
ハッとして紅炎様が発したのはあの時を示唆する言葉。
「それはそうですよ。貴方様にあんな事を言われて、立ち直るわけないじゃないですか。」
「だが俺はお前は駄目だと思っている。」
面と向かってハッキリと言われ、目に涙が浮かんだ。やっぱり駄目なんじゃん...。
「何故ですか!?私は、これまでずっと、紅炎様の為に尽くしてきたのに...。」
「だから駄目なんだろう。俺とてお前をないがしろにしたい訳ではない。」
「じゃあ私はどうすれば良いんですか...」
紅炎様の前から消えるのが1番なのに、私をないがしろにする気は無いって...。もうどうすれば良いの...。
「お前はずっと1人でいろ。」
「っ!」
その紅炎様の言葉に必死に抑えていた涙がぶわっと出てきた。
「何故泣くんだ!
そんなにお前は結婚したいのか!?」
「だって、紅炎様が.....紅炎様が...って、結婚?」
その言葉にピタリと涙が止まった。結婚ってなんの話だ?何故この話に結婚が出てくる?もう分からない。何もわからない...。
「紅炎様...結婚って何の話ですか...?」
「今の話に決まっているだろう。」
「??」
「?お前、まさか勘違いしているな?」
そこでハッとした。まさか、あの時の紅炎様と白瑛様の話って...結婚の話だったの?そしてあの時、紅炎様は確か...。
「?」
「そうですよ。なんてどうでしょうか?」
「か...。」
「あいつはダメだ。」
「そうですか?私はいいと思いますけど...」
「俺はそれだけは認めん...。」
ってあれ全部結婚の話だったの!!???