第2章 懐かしい香り
「きっさまァ!!ふがけるな!!23代続いた「バルバッド王家」を滅ぼすというのか!!」
「.....」
いや、お前が言うなよ、、、バルバッド国王だったと名乗るアブマドのその言葉に私は思わず爆笑するところだった。
先ず、国王がいなくて国が成り立つのかと問いたださない辺り、本当にこの男は救えない。自分の事しか考えてない。ありえない。
「このままでは、どちらにしろこの国は滅びる!!それも、国民すべてが奴隷化されるなんていう最悪な形でだ!誰が王になっても、もうそれは止められない。バルバッド王政はもはや、それほどまでに腐りきっているんだ!!」
そこにいる馬鹿のお陰でなって言いたい~言いたいけど~抑えるんだ、自分...!
「国民を苦しめるだけの王なら...なくそう。そして今後は、王族・貴族の特権階級を一切廃止し、国のすべての土地・権利・財産を国民の手に返すんだ。国民たちから代表者を国民たち自身で選び、市民政府を作り、議会を開く。そこで国のあり方を全部国民自身が決めるんだ。そしてもし...許されるなら、俺もその国作りにどんな風にでもいいから関わって...一生かけてバルバッドに力を尽くしたい...!
バルバッドを、格差のない共和制市民国家にする!それが今日、ここに俺が提示しにきたことだ!!」
「王政...廃止.......!?」
「.....!か...考えもしなかったが.....ありえない話ではない。そういう国は西方には数多く存在する...!」
これは、アリババがスラムの子として生まれ、その後王子として育ち、色んな所を旅したから生まれた答え。彼しかこんな答えは出せなかっただろう。凄い...アラジン、君の選んだ王の器は本当に凄い人だね。
「やれやれ...それが君の「答え」なんだね?アリババくん!」
「あっ!シンドバッドさん!」
声のした方を見ればシンドバッドさんとその囲い的な人達。いや冗談。
それより右にいる.........あの格好...アルテミュラの人かな?可愛い。凄い若い顔してるけど、確かアルテミュラって歳を取るのが遅いんだよね。多分年上だな、あの人。怖...。