第2章 懐かしい香り
紅玉ちゃん...さっきから元気がない...。どうにかして元気づけられないかな...。
「あの、さ、紅玉ちゃん...。」
「なぁに?ちゃん」
「さっきのこと以外で何か不安とかある?」
「え?」
「何かあるなら話してみて欲しい。話すだけでも気が軽くなるかも知れないし。」
私には話を聞くことしかできないけど、それでも紅玉ちゃんに少しでもメリットがあるなら、、、!やってあげたい!もう結婚はどうしようもないから、ね...。
.......夏黄文がいない間の今がチャンスだし。
「...そうね、ちょっと相手が気になるわぁ...。」
「相手?」
「うん。どんな人のかなって。」
ああ、成程。確かに、政略結婚とはいえ、一生添い遂げる相手だからね。素敵な人が良いよね。
「うーん、私はここの王様に会ったことないから分からないけど、多分素敵な人なんじゃない?彼の弟と言う人に会ったんだけど、その人はとっても良い人だったよ!」
正直言って、この政略結婚の発端を作ったのはウチの国の銀行屋だが、この国は元からあまり景気が良くなかったとか。先王が亡くなってから。それにこの結婚の実質はバルバッドを煌に差し出すということ。そんなことする人が良い人とは思えないなぁ...。アリババと一応血は繋がってると思うけど、どうしてこうも違うんだろう...。
「そう...そうよね!」
「うん、政略結婚だからね、暗く考えてたんだよ、」
「うん。ありがとう、ちゃん。」
紅玉ちゃんは鼻歌を歌い始めた。良かった...。元気になったみたい。多分この国の王様は良くない人だけど、アリババが何かやってくれそうな気がするから結婚も無くなりそうだし、変な夢持たせるのも申し訳ないけど、結婚が無くなるなら良いでしょう、多分。
にしても、
「なんかルフが騒がしいなぁ.....。」