第2章 懐かしい香り
凄いな、紅玉ちゃんは。
「...そうだよ。よく分かったね。」
「だってさっきお兄様の話が出た時、明らかに顔色が悪くなったんだもの。」
バレバレだったのね...。
「どんな感じ?紅炎様。」
「そりゃあもう、火山の如し。」
「え」
私が目を点にすると、紅玉ちゃんはフフと笑って続けた。
「ちゃんがいなくなってから毎日機嫌が悪くて、会議の時もイライラしてらしたわぁ~。」
「ええ...?何でぇ...?」
「えぇ!?気づいてないのぉ!?」
紅炎様が私の事使えないと思われているから私は彼の目の前から姿を消したというのに、そんなに喜ばしいことが何故、火山に繋がるのか...。全くもって分からない...。
「ちゃん。帰ったらお兄様にもうそれは、ものすっごく怒られると思うけど、ちゃんと話すのよぉ?ちゃんの事だから何か理由があったんでしょう?ちゃんと言わなきゃ駄目よ。」
「紅玉ちゃん...。」
「お兄様、怒ってると思うけどでも、それ以上に心配してたから。」
「...」
「毎日、色んな国に人を送って探させたりもしてたし。」
紅炎様...。
何故なのですか?
貴方様には私が必要ないはずですよね?
「...ちゃん。取り敢えず、気分転換も兼ねて、昼餉を頂かない?私、まだ食べてないのよ。」
「うん!」
~~~~~~
昼ごはんを食べればすっかり元気になった。
そして聞かされた紅玉ちゃんの婚姻。
「ええ、まさか、紅玉ちゃんが結婚するなんてぇ。」
「うん...。」
「あれ?あまり気乗りしてない?」
「うん...。」
まぁ紅玉ちゃんは、王子様~とか恋に関しては割と夢見がちだったから、政略結婚が嫌なのだろう。