第1章 始まり
魔力が穴から漏れだしているというのに、ウーゴくんはまだ戦う気なのか、ジュダルの前に立ちはだかった。
「もういいよ。戻ってウーゴくん!!戻ってよ!戻って!」
アラジンの悲痛な呼びかけが木霊するも、ウーゴくんはそれに応じる様子はなかった。
「!!ウーゴくん!!」
だがやはりウーゴくんはもう立ってるのもキツイ様で、その場で転んでしまでた。上に乗っていたアラジンもウーゴくんから転がり落ちた。それでもまだ諦めず、起き上がって彼の元に駆け寄り、声を掛けるアラジン。その姿はなんとも健気であった。
「おいチビ、まさかこんなもんで終わりじゃねーよな?こんな機会滅多にないんだ。もっともっと遊ぼうぜ!!」
ウーゴくんウーゴくん!!そうやってジュダルに背を向けて、ウーゴくんに声を掛けるアラジンに追い討ちを描けるように雷魔法が炸裂した。まさに外道。
「アラジン大丈夫!?しっかり!!」
「モルさん...」
「おお?チビその女なんだ?スッゲー素早いじゃん」
そのアラジンを助けに入ったモルジアナの速さにジュダルも賞賛を述べた。珍しい。
「こっちだ!このイカレ野郎!!」
モルジアナに続くようにアリババも前に出、ジュダルに攻撃を仕掛ける。
(皆、頑張ってるんだ...!私も行かなきゃ...!魔力がもう残り少ないとか、止められるか分からないとかじゃなくて、やらなきゃ!)
「だからぁ、俺には普通の攻撃は効かねーんだよ.......」
防壁魔法はそう簡単に崩れない。ダメか...そう思った時、アリババのナイフから炎がボワっと燃え上がり、ジュダルの防壁魔法を看破した。
「!?」
「通った!!!」
防壁魔法が敗れないと鷹を括っていたジュダルは攻撃を防ぐことはできず、アリババのナイフは見事にジュダルの頬を掠めた。
「ああ...忘れてたよ.......「迷宮攻略者」だったな、お前。」
「私のことも、忘れない、でね!!」
そのジュダルの隙を突き、私も加勢。炎が通るらしいからハルバードにハルハールを付与してジュダルに切りかかる。
防壁魔法に当てて、そのままハルハールで焼き尽く、そうとした。が、、、
「そう同じ手にやられるかよ!」
とジュダルに弾かれた。