第1章 始まり
「.......!なぜなんだ!なぜ君は僕たちにこんなことをするんだい!?」
普段温厚で、のほほんとしたアラジンが血相変えて問うた。
(その質問...意味無いよ...。あのバカ、多分...なんも考えてないから...。)
「あ?なんで...だと...?
そういや...なんで戦ってんだっけ?忘れちまった!」
(ほらぁ!!やっぱり!!!)
ここまで色んな人に危害を加えといて、その理由は忘れた、その衝撃にここにいた誰もが絶句した。
「まぁ、いいじゃねーか!遊ぼうぜチビ!
お前も「マギ」ならわかるだろ?」
「...!?」
「俺は力が余って余って余ってしょーがねーんだよ。おかげて何やっててもクソつまんねーーしよ、
でも...今日はちょっとだけ楽しいぜ。
だからもっともっと俺と遊べよ、チビの「マギ」!!」
「.....ハァ...」
あいつ...アレが本心だから怖い。
けど、根は悪いヤツじゃないし、あれは本能のままやってるから悪気もない。
ただちょっと子どもなだけだから、まぁここまでやっといてこんなこと言うのも良くないけど、皆には、特にアラジンには、許してやって欲しいんだよなぁ...。
煌帝国時代も私と魔法の特訓があっても本気でやってた訳じゃないし、本気で戦うと周りに被害が出ることが分かってたから、私がジュダルが本気になる前に止めてたし。
迷宮も結局アイツ自身が入ることが無かったからなぁ...。
人を入れるだけ入れといてアイツは知らんぷりってな。.......最悪だな...。
何度も色んな人にイタズラしてたのもそのつまらない毎日をどうにか輝かせようとアイツなりに考えた結果だし。
まぁ、皆そんな事、知るよしもないけどさ。
敵側には敵側で、案外色々あったりするんだよなぁ.........。
てか私も割と強いけど、魔女はまた別の話だし、今度ジュダルを連れてって見ようかな。
魔女退治すれば少しは周りに迷惑かけなくなるかな?