第1章 始まり
ドゴオォン!!
バリバリバリ...
けたたましい音がした。
なんて最悪な目覚まし...。そういえば、私は何をして.....!?
そこにはアラジンと、アラジンを守るようにして立つウーゴくん。
そうだ、私はジュダルに眠らされて、それで...
私が寝ている間に、何が...!?
「へえ、チビ、おもしれえの持ってんじゃん...巨大な「ジン」の体.....そんなもん俺たち「マギ」にしか出せねえもんな。
いいぜ...認めてやるよ。お前のこと!
でも、俺の魔法だって、あんなもんじゃないんだぜ?
バルバッドは霧の町。水なんて空気中からいくらでもルフに集めさせられるぜ...」
杖を翳したジュダルの上に、彼の言うように水が集まる。
「そしてこれに...さらに命令すると...」
集まった水はみるみるうちに氷へと変化した。
(まずい...!あれは.....)
「俺の一番得意な氷魔法だ!!」
「兄ちゃ~ん!!でっかい氷のヤリみたいなのが...!」
「バカヤロウ.....その前に.....
なんであいつ飛んでるんだ?」
霧の団に属してるあの男...中々目の付け所が良いな。
アイツ、複数の魔法を同時に使ってる。しかも私はバフだから1度掛ければ終了だけど、ジュダルは進行形でやってのけている。
ジュダルと私の決定的な差はそこだ。
「へっへ~ん!どだコレ!スッゲーだろシンドバッド!
覚えるのに苦労したんだぜ!さすがに長距離飛ぶのは厳しいんだけどな。」
ああ、確かによく煌帝国でやってた...。
_よし、氷でき...うあッ!??
_クソ...飛びながらだと氷作れねぇ...
氷を作れたら落ちてたし、落ちないように頑張ったら氷作れてなくていつも笑って見てたなぁ。
たまに手当とかもしてあげたし。...ジュダルがひたむきに頑張ってるの見て、応援してたけど、まさかこんなところでそれ使ってくるとはなぁ...。
「おっと...驚いてくれるにはまだ早いぜ...俺の得意技はこれからさ...」
あっ、これやばいやつだ。
私は咄嗟に霧の団の団員が多いところへ走った。