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【マギ】うたかたのゆめ

第1章 始まり






にしても本当に殴るとは...。なんかマギに会った時じゃないけど、前にジュダルが同じような事をしていたのを見たことがある。



もう一年以上前の話だけど。




コイツそういうとこ本当に変わんねぇな。







一方殴られたアラジンは患部である目を抑え、よろついた。



その有様は状況がよく掴めていない霧の団ですらドン引くレベルだった。



「シンドバッドよ、まさか俺を差し置いて...こんな奴と組む気じゃないだろうな...?」




慌ててアラジンに駆け寄るとそんな言葉が聞こえた。



アホか。



そう思いつつ適当に青魔法でアラジンの片目を冷やす。



「彼は関係ない!この国で偶然であっただけだ。」

「.........ならいいけど~~


そうだチビ。お前が本当に「マギ」なら、他にも王候補を連れてんだろ?一人か二人くらいその辺にいんだろ?
なあ、チビ!


お前の王候補を出せよ!」



アラジンの王候補...即ちアリババ。それならすぐ横にいるけど...。



アラジンは何も言おうとしない。



「なんだよ、だんまりかよ?いいよ~じゃ自分で、捜すから~...」



あれ、あんな魔法使えたっけ...。



「.....みぃ~つけ~.....たっ!」


ジュダルは隠れんぼの鬼のように嬉嬉としてアリババを指さした。


「あれ?なんだ俺、お前のこと知ってるぞ?お前、アレだろ...

昼間、アブマドの豚にいじめられてた奴だろ!
あん時のお前...みっともなかったよな~~~!」


ジュダルはそのままアリババが王宮でどの様にあしらわれたのかを言った。



...にしてもジュダル...。興味のない人間をちゃんと覚えている上、アブマドの名前と記憶しているとは...。成長している...!



良かった...。コイツが何も成長せずにあの人に迷惑を掛けていたとしたら本当に怒るとこだったから。






「ほんっとお前って...情けない奴.........」

「情けなくなんかない!!!」

「.........あ?」



アラジン...私が魔法で冷やしたとはいえ、あのバカが無遠慮に殴ったから目が痛いはずなのに、しっかり自分で立って、反論を述べるなんて...。



「アリババくんは情けなくなんかない!僕は知っている!!」
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