第1章 始まり
「!?本当に君は、煌帝国の...?」
「あーお前、自分のこと言ってねーのかよぉ!駄目じゃねぇーか!」
ジュダルは私と肩を組むと、
「コイツ、煌帝国の王子で、3個の迷宮攻略した紅炎のじゅーしゃなんだぜ!」
と言った。
「!!?」
まぁ周りも驚くよな。そりゃそうだよな。分かる。
最早現実逃避を始めた私に、周りから好奇の視線が突き刺さる。
...まぁ気にしませんけど??
「なのにお前はよぉ、いきなり消えたかと思ったら1年位帰ってこねーし、紅炎はそのせいで毎日イライラしてるしよぉ、さっきなんてお前俺から逃げただろ。」
ヒーーーさっきの事もバレてる。もう無理だ...オワタ...。
私から離れたジュダルはニヤニヤしながらこっちを見つめる。
「。君はずっと俺たちを騙していたのか?」
シンドバッドの探るような目。
あー嫌だ嫌だ。
「...信じて貰えないと思いますけど、私本当に今煌帝国と関わりないんで。私は1人の人間...いや違うな。アラジンの友達として、その友達の友達が困っているというから力になりたいと思っただけで?別に?煌帝国の使者として、どうにか押し潰されない様にと必死に踏ん張ってる人達を馬鹿にしていた訳ではないですよ??」
「...うん。僕もそう思うなぁ。それはさんが友達だからじゃなくて、一緒にいたから分かるよ!キミにも何か事情があるんだよね?」
「...うん」
「私もそう思います。さんはそんなスパイの様な人じゃないと思います。」
ウワアァ!この子達めっちゃいい子...ありがとう...。お姉さん泣ける。
「.....そうか。」
「ま、何にせよ、煌帝国は皆つえーから、すっごいんだぜ!」
「貴様ら...!」
まぁ確かに煌帝国は強いと思うけど、シンドリアとなんて戦う気ないし、煌帝国の人達は基本良い人だから、警戒するのはやめて欲しいなぁ...。
「...ジャーファルおにいさん、あの人は誰なんだい?」
「彼はジュダルといって、我々と因縁のある男...
そしてアラジン...
あなたと同じ「マギ」ですよ。」