第1章 始まり
「動くんじゃねぇ...てめぇらの大将の命がねぇぞ!
情報が入ったんだよ!!
シンドリア王「シンドバッド」が...
俺たち「霧の団」を狙ってるってな!!」
情報が漏れている...?
「ほぉ、そのことを誰から聞いた?」
「黙って捕まってろ!」
シンドバッドさんがハァとため息をついたと思ったら、彼の周りを光が包み始めた。
「そんなバカな!!」
「言ったでしょう?「七海の覇王」シンドバッドは...
不思議な力には慣れてるって!」
得意気にジャーファルさんが言った。
成程、魔力操作か。流石だなシンドリア王。
「さあ、お前を捕まえて国軍に突き出せば...
俺の仕事は終わりだ。
ね?怪傑アリババ君。」
あれ??様子を見守ってたら何故かシンドバッドさんとアリババが戦うことに。なんでぇ??
まぁシンドバッドさんには考えがあるのかな。
「知った風な口きくんじゃねぇ!!!
俺とこいつらに何一つ違いなんてねぇ!!!
こいつらみんな、俺の大切な故郷の兄弟たちだよ!
それを...
それを.....
その絆を、バカにすんじゃねぇー!!!」
「出でよ、アモン!!!」
...彼、迷宮攻略者にしては、自分には自信ないし、大して強い訳でもないし、あの人と対照的だけど、
でも、性格が そう なんだ...。
あの人みたいにギラギラしていて、王様になるには程遠い人だけど、このキラキラして真っ直ぐで、でも平凡な、そこが彼の魅力なんだね。そうでしょう、アラジン。
君は彼のそう言う所に魅せられて、無意識にマギとして王の器や候補にしたんだね。
私は凄く良いと思うけど、ウチのあの黒団子が嫌いそうだなぁ...。
あのバカは力が全てだと思ってるからね。あとは戦争好きさ的なやつ...。
「アリババ君、君は、ジンの使い方をまるでわかっていない!」
ふと気づくと戦いは終わっていた。何が起きたか分からないが、シンドバッドさんの言うことにはもう激しく同意だ。
炎を纏わせて戦うだけが力ならこの世の王の器候補はこんなに栄えてないっての。...でも、これが アリババらしい というものなのだろう。