第10章 心配
「可愛い」
赤葦の手は徐々に降下して行き、濡れそぼった蜜口に触れる。
「こんなに濡らして、一体何に興奮したんですか?」
「あっ、ん、赤葦が……良い匂いした、から……ん」
いつもより濃い赤葦の匂いにドキリとしたんだ。
「あぁ、ん……っん」
指が増やされる度に嬌声が大きくなる。
「やぁ……ん」
「声、我慢してください」
「ご、ごめ、っ……」
手の甲を噛んで声を抑えるけど、奥の気持ち良いところを擦られると堪らず声が漏れてしまう。
「イキたい?夏美さん」
「……ほし、い」
「何が?」
ニッコリと笑みを浮かべる。
あの顔は……。
「分かってるのに……」
「はい。でも、夏美さんの言葉で聞きたいんです」
そんなこと言われちゃったら、言うしかないでしょう!?
「欲しい、の、赤葦が……」
「……不正解。
俺の欲しい言葉と違いますね」
「っ、え……」
「あなたなら分かるでしょう?」
「……けい、じ……欲しい」
「っ、やばいですね。想像以上だ」
口元を押さえる赤葦。
「え、まずかった?萎えちゃった?」
「その逆です。凄く萌えました」
そう笑う赤葦の顔は赤い。
「俺余裕ないんで、煽らないでください、バカ」
自分から言い出したのに。
いつも冷静な、あの赤葦が。
余裕ないなんて……。
本当に余裕のなさそうな顔にクスリと笑みが零れる。