第10章 心配
「ん……」
目を覚ますと、布団の上に寝ていた。
あれ、私なんで寝てるの?
合宿は?まだ試合中じゃ……もしかしてさっきの夢?
「起きましたか?」
「あ、赤葦!なんで?試合は……」
「今は休憩中です。頭痛みますか?」
「ちょっと痛いけど……」
無言で保冷剤を渡してくれる。
お礼を言って患部に宛がった。
ひんやりとした冷たさに少し痛みが和らぐ。
「……夏美さんが倒れた時、心臓が止まるかと思いましたよ」
「え、ごめんなさい」
そんなに心配掛けてしまったのか。
「もう大丈夫なんですか?」
「うん」
「良かった……」
グイッと力強く抱き込まれる。
「汗臭いのは我慢してください」
「そんなことないよ?」
スンと鼻を鳴らす。
「ちょ、嗅がないで」
グイッと首ごと逸らされて痛い。
「赤葦」
少し上にある顔を見上げる。
「どうしました?」
「……したい」
「え」
「したいの」
「えっと、それは……」
「……えっち、したいって言ってるの」
恥ずかしくて、グリグリと顔を押しつける。
「ダメです、誰が来るか分からない」
「私もうこんななのに……?」
赤葦の手を秘部に導く。
「まだ何もしてないのにこんなに濡らして……」
チラリと時計を一瞥した赤葦に、押し倒される。
「声我慢出来ますか?」
「……頑張る」
「良い子」
荒く重なる唇。
赤葦の熱が、伝わる。
「っ、ふ……ん……」