第7章 ヘイヘイヘーイ
「ちゃんと躾といてくださいよ、お宅の猫でしょう?」
「へいへーい。俺は保護者じゃないけどな」
「似たようなものです」
「赤葦俺の扱い雑!まぁ良いけどさ。
それより、カラスに狙われないようにね〜」
「カラス……?」
「前回烏野が来た時、途中で早退しただろ?
だからまともに接すんの今日が初めてだし、ライバル作らせないようにな〜」
ヒラヒラと手を振り、体育館に入って行った黒尾くん。
相変わらずよく分からない人……。
「赤葦、光太郎にそろそろ始まるって連絡してくれる?
あとは烏野だけだから、来てすぐ始められるように他はアップ始めちゃいましょ」
「それは良いですけど……1人で烏野を待つ気ですか?」
「もちろん」
「だから鈍感って言われるんでしょ。
木兎さんへの連絡は引き受けますけど、俺も一緒に烏野を待ちます」
「いやいや、赤葦は選手でしょ?
ちゃんとアップしないと!」
「夏美さん1人にする方が問題です」
「私そんなに頼りない?」
「だから、そういうことじゃ……あぁ、もう。
嫉妬し過ぎて困るって言ってるんです!」
「へ?」
「目を離したら他の男が寄って来るんじゃないかって不安なんです……好きだから」
「わ、分かった」
小さく漏れた本音。
真っ赤になった赤葦は、簡単に私の顔まで赤く染めてしまう。