第7章 ヘイヘイヘーイ
夏合宿当日。
今回の合宿は我が校で行う。
「ナナちゃん大丈夫?」
「大丈夫です、でも朝早過ぎますぅ……」
寝ぼけ眼のナナちゃん。
可愛いけど、危ないからね。
「ナナちゃん、ちょっと中で休んでおいで」
「え!良いですよ!そんな!」
「流れ球に当たると危ないし、あと夏バテとかも困るから。
光太郎、着いてってあげて。
練習始まる時連絡するから」
「なんで俺が……」
「好きなら、ちゃんと素直になってあげな?」
「っ、おー」
焦ったような顔で、慌ててナナちゃんのあとを追った。
自覚があったようで何より。
それでも、あの光太郎がねぇ。
「直球ですね、もっと濁したりしないんですか?」
「遠回しに言って木兎が気づくとでも?」
「酷い言い様ですね。
まぁ、同意見ですけど。
それより合宿、男ばかりなんで気をつけてくださいね」
「私が?大丈夫だと思うけど」
「鈍感」
赤葦に額を弾かれた。
「よー。あれ、木兎は?」
「黒尾くん、おはよう。
うちのマネージャーが体調悪そうだから、中で診させてる」
「へー、良いのか?
お宅のマネージャー、フクロウに喰われちゃうよー?」
「それが目的だから」
「は?」
「なんでもないわよ」
「なんだよ、隠しごとかぁ?
ヤラシイなぁ、教えろって」
肩に腕を回し、頬をつつく。
「ちょっと……」
この人はスキンシップ激しい。
まぁ、慣れたけど。
「近過ぎますよ」
グイッと黒尾くんとは反対側に強く引かれた腕。
「赤葦……」
「おやぁ?どうした?赤葦クン。
いつもそんなんじゃねーよな?」
「……」
「ちょ、ちょっと、喧嘩しないでよ?」
空気が重くなる。