第7章 ヘイヘイヘーイ
「センパイ!合宿って何持ってけば良いですか?
わたしお邪魔じゃないですか?」
明後日に迫った強化合宿。
「邪魔じゃないよ。
ナナちゃんももうバレー部の一員でしょ?
もっと自信持って!」
「そーそー。
夏美達辞めたらお前1人になるんだしー?」
「う……わたしに出来ますでしょうか……。
失敗してばかりだし」
「こら、光太郎!そんなこと言わないの。
大丈夫よ、ナナちゃん。
誰だって最初は失敗するの、最初から完璧に出来る人なんか居ないのよ。
失敗から学んでいけば良い。
分からないことは全部教えてあげるから」
「夏美は最初からわりと出来たけどな」
「光太郎!!
なんでそんなに意地悪ばかり言うの!?
光太郎だって初めからバレー上手く出来た訳じゃないでしょ?」
「知らね」
「……」
「いって!夏美!暴力反対!」
ツーンと横を向いていた光太郎のお尻を叩いた。
「弱い者いじめ反対!」
「夏美さん、ちょっと」
赤葦に呼ばれて、その場に2人を残した。
「木兎さんのアレ、好きな子程ってヤツですよ」
「え!?」
「本人は自覚してるか分かりませんが。
好き同士勝手にさせましょう」
「まぁ、そういうことなら……。
あんまりイジメ過ぎたら怒るけど」
練習を再開する時、さり気なく光太郎の腰を叩いた。
「なんだよ」
「別に?なんとなく」