第6章 知ってましたよ、そんなこと
「俺のこと、落としておいて。
惚れたらバイバイとかあんまりじゃないですか?」
「え?ちょっと、冗談は……」
落とした?私が赤葦を?
だって赤葦にはナナちゃんという可愛い彼女が居て、私なんて足元にも及ばなくて……。
「冗談でこんなこと言いません。
俺、夏美さんのこと好きです」
「嘘……だって赤葦にはナナちゃんが……」
ナナちゃんの方がニコニコしてて可愛らしくて、守ってあげたくなるような……。
「ナナとは昨日、別れました。
別れたばかりで軽いって思うかもしれませんが、夏美さん、俺と付き合ってください」
「え、待って……」
理解が出来ない。
頭が爆発しそう。
今目の前で何が起こっているの?
赤葦は何を言っているの?
からかわれてる?
「ナナは少し前から木兎さんのことが気になっていたみたいですし……。
ナナのことなら心配要りません。
夏美さんが気に病むことは何1つありませんよ」
「で、でも赤葦……」
「俺が嫌ですか?」
「嫌じゃ、ない……」
「なら、何を悩んでるんですか?
木兎さんのこと?」
「……振り回しておいて、自分だけ幸せになれない」
「お人好しですね。
木兎さんとは、今日話をつけるつもりです。
そのあとなら良いですか?」
コクリと小さく頷いた。
なんだか全部夢みたいで信じられない。
「信じてないって顔してますね。
なら、現実だって証明してあげますよ」
お腹に当たる熱。
「え、赤葦、まさか……」
「そのまさかです」
唇が重なり、部屋着が脱がされる。
「やぁ……」
「嫌?もうこんなになってるのに?」
尖った突起を口に含み、舌先で転がす。
「やぁ、んん……ん」
「夏美さん、俺のこと、好き?」
「うっ、んん、すき……」
「俺も好きです」