第12章 ゲーム
「おーし、んじゃ時計回りにルーレット押せ!
1番は俺だぜ、へいへいへーい」
光太郎がハイテンションでルーレットを回す。
時計回り……順番的に行くと光太郎、ナナちゃん、私、孤爪くん、黒尾くんか。
京治……早く来て。そして助けて。
光太郎のスマホにそれぞれ名前と性別を入力してゲームを始める。
順番でルーレットを回し、出た司令には必ず従う。
「お。止まったな。
えーと?夏美と手を繋ぐ。ふーん、まずは簡単なやつか。
んじゃ、はい」
「あ、う、うん」
スッと出された手を遠慮がちに繋ぐと、ナナちゃんの頬が少し膨れた。
嫉妬する姿まで可愛いとか反則。
「次はナナだぜ」
「はぁい……えっと、2人を選んでキス……って、えぇ!?無理です!」
「ほらほら、命令は絶対だぞ?ま、俺はいつでも歓迎だぜ、ナナ。来いよ」
「お、落ち着こ?ナナちゃん。どこにとは書いてないから、ね?」
「じゃ、じゃあセンパイ達に……」
ナナちゃんは顔を真っ赤にさせながら私の頬にキスをした。
光太郎にも頬にキスをしようとしたら、強引に唇にキスをされていた。
まぁお題はクリアだし、良いのかな……?
問題は私のターン……変なのを引かなきゃ良いな。
心の中で手を合わせ、ルーレットを回す。
「ケンマの首を噛む。うぉー、エロいの来たぁ!へいへいへーい!」
「なんで俺……しかも噛まれるとか……ヤダ」
「お子ちゃまには早いかもなぁ?」
「子供じゃないし……」
ニヤニヤと孤爪くんを挑発する黒尾くん。
拒否されると地味に傷つく……。
「じゃあ夏美!ドーゾ!ガブッといけよ」
「センパイ、がんばです!」
「研磨ぁ、勃たすなよ〜」
「クロ煩い……そんなすぐ勃たないし」
「ご、ごめんね、失礼シマス……」
少し傾けてくれた首筋に歯を少し当てる。
ピクリと小さく震える身体。
それを感じてすぐ離れた。
「あらあら〜?ちょっと短か過ぎるんじゃないの、お姉さん」
「だ、だって何秒とか書いてないし……」
「でも今のは噛んでないだろ、歯当てただけだし」
「そーだそーだ、ちゃんと噛めー、夏美」
「だって、噛んだら痛いし、あと私じゃ嫌だろうし……」
「ちゃんと噛むまで終わらねぇよ?覚悟しとけ」
黒尾くんがニヤニヤと笑う。
絶対楽しんでる。