第12章 ゲーム
放課後、ナナちゃんと光太郎と、光太郎の部屋に上がった。
今日は珍しく部活がオフの日だ。
「赤葦委員会なんてついてねーの」
「仕方ないよ、それより私邪魔じゃない?
ナナちゃんと2人きりが良いでしょ」
「そ、そんなことないですよ!」
「まぁな」
「光太郎センパイ!」
自分から誘って来てその言い方……相変わらず光太郎らしいというか。
皆で遊びたかったのも、ナナちゃんと2人が良かったのも、多分どちらも本音だろう。
「じゃあ赤葦来るまでなんかゲームしねぇ?」
「ゲーム?3人で出来るの何かあったかな」
「わ、わたしあんまりゲーム得意じゃなくて……」
「大丈夫!超簡単なヤツだから!スマホ1つで出来るやつ」
「あ、それなら……」
ホッとナナちゃんが息を吐く。
「じゃーん!カレカノゲーム!」
「何それ」
「なんですか?それ」
「今俺が名付けた!」
胸を張った光太郎がスマホの画面を見せる。
「このお題に従うの。
王様ゲームに近いやつ?
王様ゲームとは違って、司令もスマホが決めるけど」
「変なやつは当然なしよね?」
「そんなんじゃ面白くねーじゃん!
せっかくゲストも呼んでんのに」
「「ゲスト?」」
ナナちゃんと2人、首を傾げた瞬間部屋のドアが開いた。
「おーす」
「なんで俺まで……」
「あ、音駒高校のバレー部の……えと」
制服姿の黒尾くんと孤爪くんが立っている。
音駒も今日は部活がないのか。
黒尾くんはともかく、孤爪くんが顔を出すなんて珍しいな。
「おー、来たか!
じゃあ赤葦まだ来てねぇけど始めっか」
「何をだ?俺らにも分かるように説明しろ」
「……帰りたい」
光太郎が2人に説明し、光の速さでゲームが始まった。