【文スト】ボタンを押したら飛んじゃった【wrwrd】
第2章 1.01 横浜
「ーーー要はゾムが訳分からんボタンを押してこうなった。」
グルッペンは事の発端を話し、少し冷めた紅茶を飲んだ。
「ふははははwwwwwwゾムお前wwwwやったなぁwwww」
「いや、ほんまやでwwwww普通押さんやろwwwwwwwブフォッwwww」
それを聞いて、赤と黒のストライプ柄のTシャツの男と、ヨレヨレのスーツを着て眼鏡をかけた男は腹を抱えながら笑っていた。
「コネシマさんも大先生も笑いすぎですよ…!そんなんだとトントンさんに…!」
それを宥めるように、栗色の髪で胸元に蒼のループタイを付けた男は声をかけた。
「エミさんの言う通りやで。2人も粛清されたいんか?」
それを見て、先程ゾムに粛清とやらをしたのだろう。ボロボロなゾムの傍らで“粛清剣”と名付けられた剣を翳しながらトントンと呼ばれた男は黒いオーラを出した。
「「すんません」」
それを受けて爆笑していた2人はすぐに静まる。
「にしても、ホンマここどこなん?ロボロンゴ、なんか分からないめう?」
トルコ帽子を被り、謎の語尾を付けた人物は耳元のインカムに手を当て、未だ警備室で作業しているロボロに声をかけた。
《ん?あぁ、オスマン待ってな。もうちょいでネットワークに……繋がった!…なになに?横浜…異能力…?なんやこれ。》
ロボロによって繋がったネットワークの画面が部屋のモニターに映し出される。
「横浜…って、日本だよね?でも、異能力って…。」
モニターに出された情報を見ながら白い軍服を身につけ赤いバツ印のマスクの男は不思議そうに首を傾げた。
《ひとらんもおかしいと思う?ネットワークも、なんか変わっとんや。全世界の物使えるようにしとった筈やからおかしいねん。》
ロボロはカタカタとキーボードを打ちながら話す。
「それってつまりあれちゃう?異世界転移〜とか?なんつって。」
ふと、ニット帽に豚のバッジを付けた男は冗談で口にしてみる。
「シャオロン、なに巫山戯たこと言ってんねん。そんな事ある訳ないやろ。…んで、グルッペンどーするつもりなん??」
コネシマはシャオロンの言葉を流し、グルッペンに指示を仰いだ。
「ふむ。まあ、シャオロンが言ってることも有り得ないことはないだろう。情報を見た限り、異能力、という物は存在するらしいしな。」
グルッペンはそう言うと、酷く嬉しそうな顔をした。