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第2章 1.01 横浜
「いや、もしそうだとして、マジでどうするつもりなん?こちらの人達からしたら、急に海の上にでっかい要塞が出てきてパニックやろ。」
トントンはグルッペンに向き直り、困った様に言った。
それを受けて他の面々も“確かに”といった表情をする。
「下手をすれば襲ってくるだろうな。」
もうすっかり冷めてしまった紅茶に口を付けながらとんでもないことをグルッペンは口にする。
「エーミール。勢力として、襲ってきそうな物はあるか?」
グルッペンが言うと、エーミールはモニターに目を向け顎に手を添えて考える。
「情報が少ないので…。ただ、この“ポートマフィア”と言う組織は…厄介かと…。」
エーミールがそう言うと、画面にポートマフィアの情報が大きく出される。
「ヨコハマの港を縄張りにするマフィア。傘下の団体企業は数十を超え、町の至る場所に根を張るとされる、か。ふむ。それも異能力を持っている…となると、我々には勝ち目はないな。」
紅茶を飲み干したグルッペンはカチャリとカップを置くと足を組み直す。
「ならば、取れる手段はただ一つ。」
そしてスっとメンバーの顔を見回して、オスマンを捉えるとニヤリと笑う。
それを見て、オスマンは嫌な予感を持ち苦笑いをした。
「外交だ。…頼むぞ、オスマン。」
それを聞いてオスマンは首をガックリと落とした。